エレクトロビット、Rustのサポートを統合

October 30, 2024

オープンソースコミュニティのダイナミズムを取り込むため、エレクトロビットは車載ECUプロジェクトにおける開発の生産性、安全性およびセキュリティを向上させるプログラミング言語Rustのトップレベルのサポートを提供します。これにより、ASIL-Dの機能的安全性に準拠しながら、サイバーセキュリティの強化が可能になります。

 

 

エアランゲン、ドイツ、2024年10月30日-エレクトロビットは本日、AUTOSAR準拠のベーシックソフトウェアEB tresos AutoCoreの実装において、開発の生産性とサイバーセキュリティの強靭性を向上させるプログラミング言語Rustのサポートを開始したことを発表しました。関心のあるもしくは使用をお考えのお客様は、Rust対応のバージョンをリクエストできるようになりました。これは、ECUプロジェクトにおいてRustの評価の加速と新たな製品機能の活用、そして専門知識を提供するものであり、エレクトロビットのコミットメントである「Cloud to cockpit(クラウドからコックピットまで)」を表しています。

開発者の間でRustがますます普及、評価、支持されるようになる中、エレクトロビットは、EB tresosがRustでのアプリケーションソフトウェアコンポーネントの統合に対応していることを確認しました。これは、C言語とRust言語両方に対応したAUTOSARアプリケーションSWCのシームレスな統合と開発者の使いやすい言語バインディングを提供します。また、ビルドシステムは、Rustの静的コード解析ツール 「Clippy 」をサポートしており、開発者がすぐに効率的に作業を開始できるよう、使用言語に応じたアプリケーションをビルドすることができます。

エレクトロビットは、製品ラインの一部としてRustのトップレベルのサポートを提供します。これには、慣用的なコードの生成も含まれ、より容易かつ迅速な開発を可能にします。より簡単に素早く開発することができ、完成するアプリケーションはより安全でセキュアになります。

サイバーセキュリティはもはや、IT業界の流行語ではありません。UN規則155やEUサイバーレジリエンス法は、サイバーセキュリティの重要性に対する認識が高まっていることを示しています。政府機関は、「メモリが安全でないプログラミング言語 」を使用しないよう、業界に対して強く求めています。複数の研究によれば、脆弱性の約70%が 「メモリの安全性の問題 」に起因することを示しています。これは、自動車がより多くのソフトウェア機能を実装し、インターネットのオンラインサービスが普及するソフトウェア定義型モビリティの時代において、明らかに重要な意味を持ちます。

Rustの開発は2006年に始まり、2015年にはバージョン1.0がリリースされ、メモリ安全性の問題、コードの正確性、プログラミングの生産性に取り組むと同時に、ハードウェアのコストの安定を維持してきました。既存のCコードと新しいRustコードを組み合わせることが可能なため、既存のコードベースを拡張するための理想的な選択肢となっています。

エレクトロビットのシニアエキスパートであるFlorian Bartelsは、「Rustを使用することで、我々のチームの生産性は大幅に向上し、同時に、Rustのcorrect-by-design(正確性を重視した設計)アプローチにより品質が向上しています。機能安全を背景に依然として人気のあるCプログラミング言語と比較しても、Rustには半世紀にわたる教訓が取り入れられています」と述べています。

「エレクトロビットが、オープンソースでISO 26262認証済のRustコンパイラツールチェーンであるFerroceneを採用し、EB tresos上でClassic AUTOSARのメモリセーフプログラミングを実現したことを嬉しく思います」とFerrous Systemのマネージングディレクターであり創立者であるFlorian Gilcher氏は語ります。「Ferroceneは、Rustのバグを排除する特性を活用することで安全規格への準拠を確保しており、開発者は機能に集中できるようになります。このソリューションは、より安全で信頼性の高いクルマを実現するプログラミングイノベーションの重要なステップです」

このソリューションには、コードの自動生成、Rustコードのコンパイル、静的解析が含まれ、エラー処理を簡素化し、自動車分野とそれ以外の分野向けのOSとミドルウェアのサポートも提供します。EB tresos AutoCoreは、Rustコードのネイティブサポートを提供し、シームレスな統合と、より耐障害性の高いコード作成を可能にします。Rustコンパイラがコンパイル時に問題を検出し、(Rustの「unsafe」キーワードを使用する場合でも)自動チェックが難しいコード量を抑えることで、コード構築コストの削減、市場投入までの時間短縮、そして脆弱性が残るリスクの低減を実現します。

エレクトロビットは、実践型のセッションでより詳しい背景情報を説明する導入ガイドを提供しています。この有料ワークショップは、お客様が今後のECU開発においてRustを評価できるように、知識、実践事例、新製品の機能説明を組み合わせて構成されています。

EB tresosの詳細とエレクロビットのRust採用については、ウェブサイトをご覧ください: https://www.elektrobit.com/jp/products/ecu/eb-tresos/bsw/

  エレクトロビットについてエレクトロビットは、先進の自動車業界向け組み込み/コネクテッドソフトウェア製品・サービスをグローバルに提供する自動車用ソフトウェアのリーディングカンパニーです。エレクトロビットは、過去35年以上、自動車業界向けインフラストラクチャソフトウェアやコネクティビティ、セキュリティ、自動運転、関連ツール、ユーザーエクスペリエンスの分野で柔軟かつ革新的なソリューションを提供してきました。弊社のソフトウェアは、既に6億台以上の車両に50億以上のデバイスで採用されています。エレクトロビットは、コンチネンタルの完全子会社であり独立事業会社です。詳細はelektrobit.com/jpをご覧ください。   お問合せ先:エレクトロビット日本株式会社
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